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2016,11,21
コラム

リーダーシップを「持論化」する

神戸大学の金井先生は、自分なりのリーダーシップ論として、
持論化することの重要性を説いています。


持論化するとは「リーダーシップについて、人にそれを教えようと思えば教えられる、自分なりの考えや見解」とし、人に教えることが出来るとは、それについての考え方が体系立っていて、その人なりの理論として身に付いていることの証拠だと述べています。


金井先生が、事例として引き合いに出されるのが、GEのジャック・ウェルチ氏の「4Es」で、リーダーシップの持論を4つのEで整理しています。


4つのEとは、
(1)Energy(自らが活力にあふれていること)
(2)Energize(目標に向かう周りの人々を元気づけること)
(3)Edge(タフな問題に対しても決断できること)
(4)Execute(言ったことをとことんまで実行していくこと)
です。


リーダーシップを持論化することが重要だと分かっていても、「自分には、ジャック・ウェルチ氏ほど、カリスマ性や経験があるわけでもなく、持論化なんて難しい」と感じる人が多いのではないでしょうか?


持論化が難しいと感じる背景には、
「自分はリーダーシップを発揮していると思っていない」人が多いこと
があげられます。


シェイクの調査によると、「自分が自社でリーダーシップを発揮している」と感じている人は、どの年代においても、約15%しかいませんでした。逆に言うと、「発揮していない」「どちらとも言えない」と捉えている人が85%もいるのです。


リーダーシップを発揮できない要因は、
「自信がない」「権限がない」「発揮しても評価されない」といったものでした。


リーダーシップは、誰もが発揮できる力であるにもかかわらず、
未だに、リーダーシップとは、特別な人が発揮する能力であるという誤解があったり、
自分には無理だと感じてしまっている人が多かったりするのが現状です。


そもそも、自分でリーダーシップを発揮しているという自覚がない人に対して、
「持論化」を進めても、持論化することが難しいのは無理もありません。


では、ジャック・ウェルチのようにカリスマ性を持っている訳でもない人が、
リーダーシップを持論化するにはどうすればいいでしょうか?


3つの観点で持論化を進めれば、誰でもリーダーシップの持論化が可能です。


一つ目は、
「リーダーシップとは何か(Leadership is ○○)」です。


前述のとおり、そもそも、自分がリーダーシップを発揮していることに気づいていない人が多いのが実情です。事例をもとに説明をします。皆さんの会社の会議を思い出してください。「この人が会議に参加すると、会議で発言がしやすくなる」という人はいないでしょうか?


このような人は、人の話に笑顔で耳を傾け、思わずもっと話をしたくなりす。
よって、会議において、リーダーシップを発揮していると言えます。
他にも「議論の方向が逸れそうになった時に、論点を戻すことができる人」
「会議の残り時間を管理する人」「ちょっと面白い発言をして、場を和ますことができる人」。


このような人もリーダーシップを発揮していると言えるでしょう。
それでも、自分はリーダーシップを発揮していない、と言う人もいますが、
実際には、リーダーシップを発揮していないのではありません。
「リーダーシップを発揮してることに気付いていない」だけなのです。


従って、まず、一つ目の持論化は、リーダーシップとはこういうことだ、と持論化することなのです。自分自身を振り返り、例えば「リーダーシップとは、率先垂範である」「リーダーシップとは、最後まであきらめないことである」「リーダーシップとは、包容力である」といったように持論化をします。


このようにリーダーシップを持論化すると、
自分でもリーダーシップを発揮できるのだと自覚できるようになり、
更なる自信に繋がるの
です。


二つ目は、
「何のためにリーダーシップを発揮するのか(Leadership for ○○)」です。


リーダーシップを発揮すること自体は目的ではありません。
何かの目的のためにリーダーシップを発揮するのです。


例えば、「明るい職場づくりのため」「組織の目標を達成するため」
「お客様に笑顔になってもらうため」といったようなものです。

この目的を明確にすることは、自分の方向性を定めることにつながり、
ぶれない自分に繋がります。


三つめは、
「どのような力によってリーダーシップを発揮するのか(Leadership by ○○)」です。


リーダーシップの発揮を観察していると、人によって、発揮するリーダーシップが違うことが分かります。明るい人間性で、リーダーシップを発揮する人もいれば、人との約束を必ず守るというスタンスで、リーダーシップを発揮する人もいます。リーダーシップ発揮に際しては、リーダーシップ発揮の源泉となっている力があります。自分自身のリーダーシップの源泉を認識することは、他の人と違う自分らしさを確立することに繋がるのです。


まとめると、
「Leadership is ○○」・・・リーダーシップとは何か?
「Leadership for ○○」・・・何のためにリーダーシップを発揮するのか?
「Leadership by ○○」・・・どのような力によってリーダーシップを発揮するのか?

の3つの観点で持論化することがポイントになります。


また、大切なのは、一度、行動して、持論化したら終わりではありません。
行動して持論化するというプロセスを繰り返すことによって、らせん階段のように、
自分の持論が磨かれ、軸が明確になっていきます。


そして、このようなプロセスを経ることを通じて、
「何かを成し遂げたいと思って行動した結果、人が動く」というリーダーシップが高まっていくのです。



株式会社シェイク

吉田 実





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